子どもだけでなく、これからお金の勉強をしていきたい大人、子どもにお金のことを伝えたいきたい大人にも、”きっかけ”になる一冊を紹介します。
『マネーという名の犬 12歳からの「お金」入門』と、タイトルに「お金」という言葉が入っていますが、自己啓発のカラーが強いです。
ただ、突然最初から、お金の制度や手続きの話を聞いても退屈だと思うので、具体的にお金をどんな風に運用していくのか?の前に知っておくのもいいのかなと思います。
物語仕立てで話が進んでいくので、子どもに読み聞かせながら一緒に考えていくのもおもしろいかもしれませんね。
役立つお金の5ヶ条
10年くらい前に「村上ファンド」で名前を聞いたことがあるかもしれないですが、その村上世彰氏が監修した子ども向けのお金の本です。
僕は「お金」を増やすことのプロフェッショナルだ。だから、この本に書かれたことと、少し違う意見を持っている部分もある。
でも、「お金」との付き合い方にはいろんな方法や考え方があっていいと思っているし、君たちにも、この本をきっかけに、いろいろな使い方や君なりの考えを見つけていってほしい。そのヒントに、僕がこの本を読んで最も大切で役に立つと思った部分を抜き出して、僕の考えや経験をコメントした。ぜひ、ここを読んでから、物語を読み始めてほしい。
1.誰かの問題を解決しようとすれば、お金を稼ぐことができる
2.順調な時は誰でもお金を稼げる。トラブルに直面した時に本当の能力がわかる
3.お金のために働くのではなく、お金を自分のために働かせよう
4.幸運は、つねに準備と努力の結果
5.お金持ちになれば、ほかの人を助けることができる
村上氏は、この本とは違う意見を持っている部分もあると言っていますが、「うん、確かに」と思える部分も大いにあるので、大人も”きっかけ”になる一冊だと思います。
ですが、何でも無条件に「100%同意!」はお金の勉強をしていく中で、ちょっとキケンな考えです。
「なるほど!」と思いながらも「本当にそうなの?」という視点も忘れずに読み進めていきたいです。
お金が増えても解決しない
収入が増えたらあれも買えるし、あそこにも行けるし、全ての問題はマルっと解決!のように思えてしまうのですが、実際は違います・・・
「収入さえ増えれば」「お金さえあれば」という思考は、一生あなたをお金のグルグルから解放してくれません。
わたしもこういう考えの一人でしたが、こういう大人は多いはず。
『マネーという名の犬 12歳からの「お金」入門』では、子ども向けにこんな風に物語が展開しています。
「キーラ、いまは信じられないかもしれないけど、たとえ10倍のおこづかいをもらったって、問題は大きくなるだけだよ。収入が増えれば、そのぶん支出も増えるものだからね」
いくらなんでも大げさです。
10倍のおこづかいがあれば、天国にいるような生活ができるはずです。
キーラは、主人公の女の子です。
キーラの気持ち、わかります(笑)
ここでタイトルにもなっている”マネー”という名前の犬が、キーラにこんなアドバイスをします。
「君の両親を見てごらん。君の10倍どころか、100倍以上のお金をもってる。それでもうまくやっていけていないんだ。
お金がどれだけあるかはあまり重要なことじゃないんだよ。
もっと大事なのは、お金とどうつきあうかだ。ぼくたちはまず、いまもっているお金とうまくつきあうことを学ぶべきなんだ。
そうしてはじめて、もっとたくさんのお金を得られるようになる。 ・・・」
収入が増えてもお金が手元に残らない現実があります。
大人向けにお伝えすると、「パーキンソンの法則」と言います。
収入が増えると支出も増える
以前、こんな記事も書いています。ご参考まで。
お金のイメージが悪いことの弊害
お金について良いイメージがない・悪いイメージしかない人もいると思います。
私たちはお金のことを学校で教えてもらっていないので、子どもの頃からのたくさんのお金の出来事によってイメージが作られています。
そのまま大人になるとどうなるかというと・・・
うまくいかないことがあると「お金のブロック」を持ちだす
うまくいかない理由を探しているようで、実は言い訳を探しているという結果になってしまいます。
そのときによく使われるのが、「お金のブロック」です。
どこかで知った「お金のブロック」という存在。
それを理論的に考えられないと、お財布を振ってみたり、お財布の声を聞いてもらったり、お金の問題を解決できないことに走ってしまいます。
(解決できないことにお金を使うという・・・)
わたしは基本的に「お金のブロックはない」という考えですが、もし「お金のブロック」があると思い込んでしまうと、お金だけでなく、何かがあるたびに「○○のブロックだ」と言い訳してしまうことになるので、注意が必要です。
なので、なるべく早いうちにお金の悪いイメージはなくしておいた方がいいですね。
お金の4ステップ
この本では、主人公の女の子が、
- おこづかいを貯金すること
- 犬の散歩をしてお金を稼ぐこと
- 投資について学ぶこと
- 投資信託でお金を運用すること
をしますが、大人でも当てはめて考えることができます。
- お給料の一部を貯金すること
- 副業で収入を得ること
- 投資について学ぶこと
- 株でもNISAでも合ったことを始めること
2018年まであと一ヶ月。来年こそは、お金の勉強を始めたい方は、
お給料の何パーセントを貯金する?
どんな副収入を得る?
投資について何を学ぶ?
いつぐらいにお金の運用を始める?
と考えてみてくださいね。